新井満のつぶやき 2007-1

20070312 「千の風・基金」

 こんにちは! 春めいてきましたね。
 本日は、「千の風・基金」について呟いてみたいと思います。

■「千の風・基金」は2004年春、私のふるさと新潟市に在住する
  友人たちによって作られた任意団体です。友人たちというのは、私の
 小学校と中学校時代の同窓生や同級生たちのことですが、いずれも
 故・川上桂子さんとゆかりのある皆さんです。

■「千の風・基金」設立の目的は、「いのちを守る社会福祉活動を
 精神的に応援し、同時に金銭的にも支援したい」というものです。

■ご存じの方も多いと思いますが「千の風になって」という歌は、
 新潟市の主婦、川上桂子さんの死がきっかけとなって誕生しました。
 桂子さんは生前、学校給食を良くする運動から、いのちの電話相談の
 運動、そして原発反対運動に至るまで、農業、食物、教育、環境、
 平和など、様々な分野で「いのちを守ろう!」と呼びかける社会貢献
 活動のリーダーでもありました。運動の道なかばでガンに倒れ、
 48歳の若さで急逝された桂子さんの無念は如何ばかりであったか、
 想像に難くありません。
 桂子さんをよく知る友人達としては、桂子さんが情熱的に行って
 きた社会貢献活動を引きつぎ、次の世代にバトンタッチしたい。
 それがあとに残された者たちの役割であろうと考えました。
 基金設立の動機は、ざっとそんなところでしょうか。

■「千の風・基金」のメンバーは、代表が桂子さんの夫君でもある
 川上耕さん(弁護士)、それから小学校の校長先生や内科と小児科の
 お医者さんなどなど。私もメンバーのひとりです。

■「千の風・基金」の源資について
 源資は主として3つあります。
  (1)「千の風」の商標使用料
  (2)「千の風」の商標を使用している企業からの寄付金
  (3)新井満からの寄付金

■(1)について少々説明します。
 「千の風」の商標を使用している企業は、現在2つあります。
 日本酒「千の風」を販売している塩川酒造(新潟市)、そしてお香
 「千の風になって」を販売している平安女学院(京都市)です。
 私、新井満は日本酒とお香のジャンルで「千の風」の商標権を持って
 います。
 「千の風」の商標を冠した商品を販売することによって生じた商標使用
 料は、まず私の口座に振り込まれます。その後、私は振り込まれた商標
 使用料の全額を「千の風・基金」に送金しています。
 あなたは疑問に思うかも知れませんね。
 「そんなことをして、どんな利益があるというの…?」
 あなたの疑問におこたえします。経済的な利益は一切ありません。
 いただいたお金をそのまま右から左へ送金しているわけですから。
 では、何のためにそんなことをしているのか?
 それは、経済的な利益はなくても、精神的な利益があると思うからです。
 <どうせ生きるならば、たとえささやかでもいい。世の中の人々のために
 なるようなことをしながら生きて行きたい…>
 誰の心にも、そういう思いはありますよね。
 それと同じ思いが、私の心にもあったというわけです。

■(2)について説明します。
 2つの企業は、商標使用料とは別に「千の風・基金」に対して寄付をしたい
 と申し出てくれました。社会福祉活動を応援したいという「千の風・基金」
 の設立目的に共感してくれたわけです。ありがたいことであります。

■(3)について説明します。
 正直に申し上げますと、(1)と(2)をプラスしても、基金としてはまだまだ
 十分とは言えません。社会福祉活動を金銭的にも支援したい!と言うは易く
 行うは難しで、予想以上に大きな金額が必要です。
 というわけで「千の風になって」の本やCDの印税が入金されるたびに、私は
 その一部を寄付金として「千の風・基金」に送金するようになりました。

■次に「千の風・基金」がこれまで行ってきました社会福祉支援活動の一部を
 ご紹介します。
 2004年10月23日(土)、新潟県中越地震は起こりました。
 十日町市にあるNPO法人(特定非営利活動法人)「支援センター・あんしん」が
 運営するワークセンターは、この地震によって大きく損壊しました。
 ワークセンターでは、11名の心身障害者の皆さんが、3名のスタッフの
 支援を受けながら、トイレットペーパーや金属パネルを製造しています。
 障害者社会福祉工場とも呼ばれています。
 しかし、民間が運営するワークセンターを支援する公的制度がないため、
 再開のめどが立っていないということを、地元の新聞、新潟日報の報道に
 より知りました。
 「千の風・基金」は、災害復旧費用の一部にあてていただくための寄付金と
 して、金100万円を「支援センター・あんしん」に送金いたしました。(2004年12月28日)
 後日、「支援センター・あんしん」の副会長、樋口功様から丁重なお礼状を
 いただきました。

     本日の呟きは以上です。 では、また、ごきげんよう!